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月の光     10月4日   旧暦/葉月十六日

今夜は満月、十六夜の月です。月をいつも身近に感じていた私たちの祖先は、お月様に様々な名前をつけました。

満月は、十五夜、三五の月、望月、天満月(あまみつづき)……

満月を過ぎると月の出が少しずつ遅くなります。月の出を待ちわびたのでしょう。

十六夜、立待月、居待月、寝待月、臥待月、更待月、廿日月、亥中の月、真夜中の月、
二十三夜の月……


月の光を歌った、 北原白秋の、やさしくて、可愛い童謡詩を、ごいっしょに読みましょう。

     お月夜    
   
   トン、
   トン、
   トン、
   あけてください。
   どなたです。
   わたしゃ木の葉よ。トン、コトリ。

   トン、
   トン、
   トン、
   あけてください。
   どなたです。
   わたしゃ風です。トン、コトリ。

   トン、
   トン、
   トン、
   あけてください。
   どなたです。
   月のかげです。トン、コトリ。
     

私が講師をつとめる「ぴのきおスクール」の子どもたちの大好きな詩です。「どなたです」のところをお母様が言ってあげてください。やさしく…ですよ。親子の言葉のかけあいが素敵です。


     月夜の庭

   おお、明るいな、朴(ほお)の葉に
   月の朴の葉うつってる。

   みんなしずかだ、脚あげて
   薄翅(うすば) かげろう飛ぶばかり。

   ちょうど、母さん、この庭で
   いつかこうしていましたね。

   ちょうどこうして、腰かけて、
   あ、おんなじだ、この話。

   金のランプをとりに行た、
   ほら、アラジンのこの話。

   蟇(ひき) が啼いてる。あの晩も
   草がちらちらひかってた。



    
  

仲秋の名月     10月3日   旧暦/葉月十五日

仲秋の名月、一年で一番美しいお月さまを眺められる日ですね。雨もあがって、十五夜お月様を楽しめそうです。でも正確な満月は一日ずれて明日なのですね。

「雪月花」というぐらいですから、月を詠んだ名歌はそれこそ星の数ほどありますよ。
先ずは「万葉集」から。万葉の人々には、いつも月が身近にあったのですね。およそ160首歌われています。

♪天(あめ)の海に 雲の波立ち 月の舟 星の林に こぎ隠る見ゆ 
柿本人麻呂歌集


なんて壮大な天体ショーでしょう。千三百年前にこんなにメルヘンチックな歌があったのですね。

♪月夜よし 河音(かわと)さやけし いざここに 行くも行かぬも 遊びてゆかな     
大伴 四綱

何も説明がなくても情景が浮かんできます。しらべも美しいし、まさに声に出して詠みたい、歌いたい代表のような歌ですね。
舞台は九州、遠の朝廷(みかど)大宰府の宝満川のほとり、阿志岐という所です。現在は筑紫野市になっていますが…。
政庁から4キロぐらい、ここから米ノ山峠を越えると奈良の都へ通じています。宿場になっていたのでしょうか。
大宰の帥の大伴旅人が大納言になって都へ帰るときの送別の宴で歌われました。さらさら流れる川の音をきき、月を愛でながらの宴会なんて素敵ですね。



♪夕闇は 路たづたづし 月待ちて 行かせ吾が背子 その間にも見む    
大宅女

これも九州、豊前の国の人の歌です。「あなたが好きだからもっと居て…」なんて言わないで「宵闇は路が危ないから、月が出てからお帰りなさい…」いつまでも一緒にいたい気持がせつせつと伝わってくるでしょう

江戸時代の良寛さんも万葉の歌をふまえて美しい歌を詠みました。

♪月読みの 光を待ちて 帰りませ 山路は栗の いがの多きに

良寛が親しくしていた貞心尼という女性との歌のやりとりです。きれいなお月様を見ると、誰でもやさしい気持になるのですね。今夜の十五夜、楽しみです。
     

ありがとう     9月27日   旧暦/葉月九日

「名詩・名文を声に出して読む会」主催の「大人の絵本ー朗読と音楽の会」は、お蔭様で盛況のうちに終えることが出来ました。あいにくの雨模様にもかかわらず予想以上のお客様でした。

高速道路の大渋滞のなかを県外からお越しくださった方、お茶の接待や、録音録画など、いろいろなお手伝いをしてくださった方々、本当にありがとうございました。

小学四年生の恭子ちゃんから、八十歳の静さんまで、皆、一生懸命に声を出しました。緊張のあまり、とちったり、手順を間違えたり、いろいろありましたが、終始笑顔で包んでくださった皆様に感謝いたします。楽しい会になりました。

皆様といっしょに読んだ詩から……
     ♪初恋          島崎藤村

     まだあげ初(そ)めし前髪の
     林檎のもとに見えしとき
     前に挿したる花櫛の
     花ある君と思ひけり

     やさしく白き手をのべて
     林檎をわれにあたへしは
     薄紅の秋の実に
     人こひ初めしはじめなり

     わがこころなきためいきの
     その髪の毛にかゝるとき
     たのしき恋の盃を
     君が情けに酌みみしかな

     林檎畠の樹(こ)の下に
     おのづからなる細道は
     誰(た)が踏みそめしかたみぞと
     問ひたまふこそこひしけれ     



そして本日、九州国立博物館の「阿修羅展」が幕を降ろしました。

70万人のお客様が阿修羅さまに接し、感動を共有したのですね。
私も解説ボランティアとして、文化交流展示室(常設展)でたくさんのお客様と触れ合い、お話が出来てワクワク!ドキドキ!ときめいた日々でした。

今日は最後にもう一度、阿修羅様にお目にかかってきましたよ。最終日は、これまでの混雑がウソのよう、ゆっくりお会いすることが出来て幸せでした。
09-9-22彼岸花、九博花052-3

天満宮から博物館へ続く通路に咲いている睡蓮、稲山さんが送ってくださいました。




朗読と音楽の会     9月11日   旧暦/文月廿三日

                  今でも絵本を読むことがありますか。

            幼かった日々に母の膝できいた、心に残っているお話……

           小さな我が子にせがまれて、 毎晩繰り返し読んだ絵本……

                  さあ、ごいっしよに絵本の世界へー  
                

                     おとなの絵本
                 朗読と音楽の会


               22日(休)開場1:30ー開演2:00
           福岡市天神 警固神社 神徳殿  会費ー700円          
               
                        
プログラム

               でんでんむしのかなしみーー新美南吉

                    道成寺〜大蛇になった娘

                   シェヘラザーデ〜千一夜物語

                        源氏物語 夕顔

       朗読/名詩・名文を声に出して読む会   音楽/佐藤真理子  一ノ瀬利美

一年詩集の序     新美南吉

                       生(あ)れいでて

                       舞う蝸牛(ででむし)

                       触角(つの)のごと

                       しずくの音に

                       驚かむ

                       風の光に

                       ほめくべし

                       花も匂わば

                       酔いしれむ

     

    秋の連休、お彼岸ですが、お時間がありましたら、お出かけになりませんか。
     
絵本の一節や愛誦の詩歌を、ご参加の皆様と一緒に読む時間も設けます。
     
もちろん、美味しいお茶とお菓子も用意しています。
     
初秋の一日、木の香も清清しい神社の境内で、ゆったlりとお過ごしください。

                          名詩・名文を声に出して読む会  古森 朋子
                              お問い合わせー092−937−0536

「源氏物語 夕顔」   9月10日   旧暦/文月廿二日    

yoruga4[1]

ゆく夏を惜しむかのように、朝顔が、小さくなった花を頑張ってつけてくれます。葉は黄色くなってしまってかわいそう。今年も毎朝ありがとう。おかげで爽やかな朝を迎えられました。

かわって夕顔が花盛りです。薄闇が訪れると、濃い緑の葉の中で真っ白な大きな花を開きます。私以外の家族は見てくれないので、深夜一人で楽しんでいます。だってうっかり寝坊すると、もうしぼんでいるのですもの。先日の満月の夜は、一段と素敵でしたよ。
  

♪ 心あてに それかとぞ見る白露の 光そへたる 夕顔の花

  ♪ 寄りてこそ それかとも見め たそがれに ほのぼの見つる 花の夕顔

「源氏物語」の夕顔の巻で交わされる夕顔の君と源氏の君の歌です


女君のはかない命を暗示するような夕顔の花。夕暮れに白く咲き、朝の光をあびるとしぼんでしまう。はかないけれど、花のまわりだけは、ふと明るいようで……文中にはおのれ独り笑みの眉開けたるとあります。きれいな表現ですね。
六条わたりの御忍び歩きのころ……」有名な夕顔巻の冒頭の文です。六条御息所を訪ねて一夜を過ごす源氏の君ですが、やがていつとなく、この夕顔の宿にも通い始めます。顔も素性もかくしたままで。 


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