今からおよそ1300年前の今日、華やかな万葉絵巻が繰り広げられました。
時は旧暦の668年5月5日、舞台は新緑の近江、蒲生野
(がもうの)です。紫草の白い小さな花が一面に咲いています。
登場人物は天智天皇、大津宮の貴族や女人たち。男性は鹿の角をとるために駆け回っています。不老長寿の薬にするのです。薬草を摘んでいる女人たちも皆着飾って楽しそう。
今日は楽しみにしていたレクリェーション薬猟
(くすりがり)の日なのです。当時、中国から入ってきた最新流行の年中行事でした。
そこへ颯爽と?あらわれるのが皇太弟の大海人皇子(後の天武天皇)とヒロイン額田王
(ぬかたのおおきみ)。二人は歌います。
「天皇(すめらみこと) 蒲生野に御猟(みかり)したまひしとき 額田王のつくれる歌」
あかねさす 紫野行き 標野(しめの)行き 野守は見ずや 君が袖ふる 「皇太子(ひつぎのみこ)のこたへまする御歌(みうた)」紫草(むらさき)の にほへる妹(いも)を 憎くあらば ひとづまゆゑに 吾恋ひめやも